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オール電化の住宅は災害弱いのか

2023年08月21日

こんにちは、スタッフ阿部です。
お客様とお打合せをの際、「最近の地震災害の多発を踏まえると、オール電化住宅は地震時に電気が止まってしまう可能性があるため、ガス併用住宅計画したい」と話される方がいらっしゃいます。
果たしてこの判断は妥当なのでしょうか。今回は、ライフラインについて考えてみたいと思ます。

災害時の復旧順序について考えてみましょう!

一般的に、災害時の復旧順序は以下のようになります。

電気 → 水道 → ガス

阪神大震災や熊本地震などの過去の災害では、この順序と同様だったと言われています。
具体的な復旧期間については、阪神大震災の場合は次のような期間でした。

電気: 7日間
水道: 84日間
ガス: 90日間

熊本地震では発生から5日後に電気が全面復旧し、15日後にはガスが復旧しました。このように、電気と比較してガスの復旧には格段に時間がかかることが分かります。災害発生時の混乱や状況下での数日間の差は、大きな不安や影響を与える可能性があります。

太陽光発電について

太陽光発電は、オール電化住宅とよく組み合わせられます。災害時には、太陽光発電で得た電気を売るのではなく、自家消費に切り替えることも可能です。特に、「太陽光発電 + 蓄熱電池」の組み合わせでは、電気を貯めることができ、災害時に非常に有効な解決策となると考えられます。現時点ではまだ日常生活を完全にカバーする容量ではありませんが、災害時の2日から5日間を計画的に対応するのに十分な性能を持っていると思われます。

以前は、「太陽光 + 蓄熱電池」のシステムは価格が高すぎてお勧めできなかったですが、最近では容量と価格のバランスがかなり改善されてきており、お勧めできる段階に近づいていると言えます。

水の確保について

災害時において、水道の復旧にはガスと同様に約15日程度の時間がかかる場合があります。その間、給水車などの支援も行われると思われますが、「水」の確保は電気の復旧以上に困難な課題とされています。

災害時には以下のような水の確保が重要です。

飲み水トイレ用水手洗いや入浴などの用水

日頃から緊急時の飲み水確保や、お風呂の残り湯を捨てるタイミングなど、生活習慣での工夫は大切ですが、災害時には1日に1人あたり2リットルの飲み水が必要とされており、常時蓄えておくことは現実的に難しいと言えます。

例えば、4人家族の場合、以下のような水の必要量が考えられます。


飲み水: 4人 × 2ℓ × 15日間 = 120ℓ+手洗いやトイレ用水など

オール電化に限らず、エコキュートなどの貯水タンクを使用する場合、常時タンクに貯めることができるお湯の量は約360リットルから450リットル(2リットルのペットボトルで180本から225本分)です。災害時には、このお湯を飲み水として利用できる可能性も考えられ、その点でも魅力を感じることができます。

まとめ

暮らしに適した選択を考える際には、オール電化住宅とガス併用住宅のメリットとデメリットを総合的に考慮する必要があります。オール電化住宅は停電によるリスクがありますが、熊本地震では比較的早い復旧が見られました。防災の観点では総合的なリスクが少ないと言えるでしょう。

しかし、日常の使い方や光熱費、導入費にはガスも魅力があります。個々の家庭のニーズや考え方に合わせて選択することが重要です。太陽光発電と蓄熱電池の組み合わせも、現実的な価格に近づいてきており、検討の価値があります。

適切な選択をするためには、丸藤建築にご相談いただくか、自身のニーズや予算、環境について考えながら、メリットとデメリットを考慮し、検討する必要があります。